2023年1月14日 スロットコーナー雑感-2023年1月 スロットコーナー運営においてホール目線では、全国での設置台数規模が50,000台以上、シェア比で5%前後の機種であれば適当台数を構えていわゆる”メイン機”という扱いを受けやすくなりますが、このメイン機を文字通り主役の座に据えて日頃からマメに運用し長期稼動させていくという観点では、この1~2年でだいぶ見通しが良くなったなというのが実感できます。 たとえばほんの2年前にあたる2021年1月は、誰でもまだ覚えている通り旧規則機の撤去期限を目前に控えていました。2020年のお盆明けから年末にかけては未だヘビー級の貢献度を誇る数機種に稼動(IN枚数)・台売上・台粗利の多くの割合を負担してもらっていて、これが撤去期限を迎えていよいよ6号機時代に完全移行してしまうとホール営業はどうなってしまうのかという不安感が当時ホールを席巻していました。 具体的には、ニューアイムジャグラー(稼動7,500枚・台売上18,500円・台粗利2,800円水準)、ゴッド凱旋(11,000枚・53,000円・6,000円水準)、沖ドキ30(13,000枚・50,000円・8,000円水準)、沖ドキ25(13,500枚・52,000円・8,500円水準)の4機種が全体平均(7,400枚・20,000円・2,600円水準)を押し上げる働きをしていて、これが獲得枚数が大きく減り高ベース化した6号機ジャグラーに置き換わったらどうなるのか?その他3機種に至ってはシェアだけはリゼロなどが担保していましたが営業数字作りの代替になり得るATタイプ機など何一つないではないか、出てくる見通しも立たないではないかという状況でしたから言わずもがなです。 これがいまでは、長く供給不足感があったジャグラーの設置がようやく進んできたところに夏場にかけて次機種が登場し順次増販されていくことで従来と同規模のジャグラーコーナーを構築できるようになるホールが増えるでしょうし、昨年末時点で18機種・16万台の6.5号機ATタイプが登場していることも手伝って、お金さえかければ全体平均を上回る機種を買い揃えることができるという購買環境になりました。 つまりスロットに関しては、メーカー側の努力によって機種性能と供給力が改善され、順次内規変更がなされる6号機の仕様にユーザーが慣れ、ホールにとってはコーナー運営の大部分が資金力の多寡で決まるというステージに移行したと判断できそうです。 その最たるものがスマートスロットであり、スマート用のユニットも含めて”当たり機種”を掴むために果敢に買うことができるホールがその恩恵に与り中古での後買いに関しても100万円を超える価格水準の機種も多く出回りますがこれを買うのは過去にその水準で買って成功した経験があるホールだけですから、総合的にはやはり機械代を月単位でみることなくより長いスパンで勘定することが出来るホールが有利という状況になっていくものと推察します。 目下メーカー側は、従来のようなリユース促進施策だけでなく電子部品の変更による基板類の再設計や遊技機組成における代替部品の使用許可の延長を図ったりという動きをみせており、より一層の節約や製造環境改善に向けた努力をしていると聞き及んでおります。 ではホール側はどうかというと、コロナ禍で既にやり切ってしまっていて営業現場ではもうこれ以上は汗をかけない、経営陣もこれ以上の我慢が効かず削減する費目も見当たらないというところも多くなっているかと思います。 特にこれは家賃負担が大きい都市部のホールにおいて顕著であり、これを踏まえると爆裂ATタイプ機と大量獲得ストック機をメイン機としたスロット市場活況を背景としてホール軒数を伸ばした東京・大阪・愛知・神奈川において更に店舗減が進み、特に東京は小規模店(総台数300台以下)が多いため減少ペースにアクセルが掛かる可能性が高いだろうと述べて本稿を了とします。 関連 DIARY