2023年1月6日2023年1月6日 高リスクで前時代的なパチンコ機運用について ぱちんこ業界内では2022年に入ってから、いわゆる広告宣伝規制の発出から10年が経過するという時期にあたることとコロナ禍からの立ち直りを意識して、有力法人と業界団体が主導する広告宣伝規制の緩和に向けた働き掛けが本格化しそれが何らかの実を結ぶだろうという観測がなされていました。 また二十年来水面下で進められてきた封入式・ecoパチ・管理遊技機という構想が、遊技球の電磁的な記録が改正規則にて認められたことでスマートパチンコ・スマートスロットというかたちで遂に陽の目を見ることになるだろうという観測もなされていました。 2018年前後の時期において業界のひとつの懸念材料であったIR関連の動きがコロナ禍で鳴りを潜めた或いはスピード感を失ったことも手伝って(いまはNTFが興隆した場合の懸念にシフトした感があります)、2022年は前記2つのトピックスを中心とした動きに加えスロットATタイプ機の内規変更による払い出し性能の向上とニアリー・イコールなこととしてスロットコーナーの客数回復によるホール営業数字の上昇が期待できる一年になるだろうと予見されていたところに、ひとつ面倒な話題が出始めて、感度が高いホール関係者中心に警戒感が強まりました。 それは、釘調整事案です。 同年10月から12月にかけて新潟、宮城、京都、徳島などで釘曲げによるホールの書類送検が相次いで報道されましたが、その時期が集中していることから、もしや都道府県警単位ではなく公安委員会ならびにその実働部隊としての警察庁による動きなのかと憶測を呼びました。 実際私も出入りしているメーカー関係者や日頃意見交換しているホール関係者からなにか新しい情報はないかとヒアリングされることもありました。 これについて、現時点での情報によると全国的に・一斉に、という動きはなく、そもそも前述した地域の事案はそれぞれ約半年前に府県警単位で調査し摘発に向けて動いた結果であって、つまりは「通報ありきで動いた個々の事案がたまたま近い日程で重なっただけ」であると推察できます。 もちろん、年が明けて今月・2月・3月といった風に同様のことが起これば「2022年4月前後に、なにか特別な通達があったのだろうか?」という憶測が再燃するわけですが、本当にそんな通達があったならばこの程度の規模での摘発では済まないわけですから、やはり単に通報に応じた個々の対処という解釈が妥当かと考えられます、 となると、いかに個々の事案とはいえ全国データにも表れているようにパチンコ機運用の水準が低下して厳しい遊技状況に陥った各地のユーザーが通報に及んだものがメインで、散発的ながら今後も発生する可能性を排除できずその対象が自社店舗になる恐れもあるだろう、またそうならないように可能な対処はしておこうと考えるのが当然ですが、様々な店舗を視察する中でそのリスクをパチンコ機運用にしっかりと反映しているところはそう多くはないように思います。 つまり、相変わらず危ない釘が多いな、という所見です。 最もチェックされやすい、違和感を持たれ易いのはいわゆる「命(ヘソ)釘」ですが、首吊り(玉架かり)やブドウが発生するリスクが高い釘の状態になっている場面をよく見かけるのは一般入賞口周りです。 ホール関係者でも見落としがちで、中には理論的なことが全くわかっていない者も居るだろうと思いますので敢えて言及しますと、ベースアップ貢献度=分間入賞個数に大差がある一般入賞口周りを一様にぐんにゃりと曲げるような運用は前時代的且つ高リスクなだけで意味を成しません。 せっかく諸元表、取り扱い説明書があるわけですから、まずはそれにしっかりと目を通して機種性能を理解する必要があると述べて本稿を締めます。 【アイキャッチ画像】 P聖闘士星矢 超流星 取扱説明書より ©三洋物産 関連 DIARY