2023年9月17日2023年9月19日 平岡とニューオオネ様の物語③~繰り返した後悔。そして復活。 こんにちは。平岡です。本日は、ニューオオネ記事の第三弾となります。 「今回初めて読むよ!!」という方がいらっしゃいましたら、大変お手数ですが①と②を先にお目通し頂けますと内容が理解しやすくなるかと存じます。なお、今回は長めのターンのため、少しお時間に余裕がある際にお目通し頂けますと幸いです。それでは。参ります。平岡とニューオオネの物語③「繰り返した後悔。そして復活」 コロナ禍の到来により、不要不急による越県行動を会社からも禁止されます。さすがに会社員をしている平岡は、万が一にも無理やり越県して感染してしまったら言い訳もできない。それによってしばらくおとなしくしていた平岡ですが、少しコロナが落ち着いてきた頃に、オオネより「リニューアルオープン」をするという報がありました。 2020年7月4日。前回オオネに行ったのが3月14日だったため、約4ヶ月ぶりのオオネです。しかも4日&5日の2日間が強そうな感じでした。 その頃は少しコロナも落ち着いていたこともあり、久しぶりにガッツリと遊びたい衝動に駆られ、リスクのある電車移動時間を減らすためにも、ついに「お泊まり道具」とともに早朝6時、オオネに向かって電車に乗り込みました。 「お客様が少ないことはわかっていても、開店前から並ぶのがオオネの流儀」 なんて言って、いつも開店前から並んでいた平岡は、もはや儀式のように8時頃に到着です。少し雨の降る中、オオネ名物の交番裏の細い通路を抜けると、すでにペットボトルが1本置いてありました。(ほほう。私よりもやる気のあるファンの方がいらっしゃるようだ) 年明け以降、いつ行っても平岡だけという状態が続いていたため「前に人が並んでいる」という、たったそれだけのことでも、とても嬉しく感じました。少し時間が経ち、平岡のオオネ遠征仲間も到着しました。 駅前のマックで友人たちと作戦会議ののち。従来は9時オープンでしたが、このリニューアルを境にオオネは閉店する最後まで10時オープンとなります。(日曜日はとくに、帰宅のための時間的に、平岡にはある意味朗報です) さぁ、開店です。でも…結局、お客様の数は一桁で。オオネが「リニューアル!!」と言っても、もう人は集まらないのか、と。複雑な心境になりつつも、リニューアルオープンは嬉しいもので。入店時に今までになかった白い手袋を渡されます。オオネでもコロナ対策。台と台の間には、ケロット4を打った時にはなかったビニールで仕切られておりました。 (きっと、店長さんと1号さんが、1台ずつ自分達で張ったんだろうな~) まずは、ぐるりと久しぶりの店内を一周します。この時の全台数をメモっていなかったことが悔やまれますが、店内の台数はケロット4を打ちに行った時よりも増えていて、ブルーシートでふさがれていた島も無事に稼動が出来る状態となっておりました。そして、それまでは「スロット専門店」だったオオネに、パチンコも導入されていました。一周はしたものの、勿論、その日に私が座った台も、いつもの「ニューシオサイ」でした。 ちなみに、この時のニューシオサイの右隣の台は、なんだったと思います? 正解は… 「洗濯機」でした。(笑) この並びも、実にオオネらしい。 この日は20時閉店で、もちろん閉店の最後まで打ち切る平岡。5176回転で20-15。 閉店後は普段は大慌てで電車に飛び乗るのですが、ついに初めてのお泊りコース!!(と言ってもこの時を境に、平岡は呆れるくらい泊まりがけでオオネに打ちにいきます(笑)) 翌日は日曜日だし、少しでもお客さんが増えないかな…と淡い期待しつつも、お客の数は前日と変わらずまばらで。開店しましたらば、平岡は真っすぐにいつもの洗濯機の隣の台を取りに行きました。この日は18時閉店で打ち切り。4801回転で14-17だった模様。これはバケ先行で負けたパターンだな。 ですが、結果よりも何よりも。この「ニューオオネ」という場所で、久しぶりに2daysを全力で打つことが出来て、まるで故郷に帰ってきたような思いで打ち散らかせて幸せだったのです。 結局、その後もコロナは治まることなく猛威を振るい、リニューアルオープンだったために浮かれて泊まりで行ったものの「越県してパチンコ屋さんに行く」という行為そのものにはやはり罪悪感があり、会社からの禁止令も引き続き継続中だったため、またしばらく足が遠のきます。そんなこんなでホールに行きにくいこともあり、ついには平岡。関東に引っ越ししてきて初の「家スロ」を購入します。現在は10台ほど所有しておりますが、記念すべき1台目はそう。かの名機。オオネでも、みなし機撤去の最後まで打ち込んだ思い出の「アクアビーナス」をお迎えしたのです。 そして、少しの期間ですが、コロナ禍で不安を抱えながら外出できない皆様が少しでも楽しんでいただけたら…と、媒体に所属して生配信(顔出しはしておりません)を開始しました。もしかしたら「平岡」の名前を知ってくださった方の中には、この頃の生配信がきっかけという方もいらっしゃるかもしれませんね。 この後は、自宅の家スロの増台をしたり、近所のパチンコ屋さんに多少は足を運びつつ生配信をしつつも。心のどこかに、オオネのことは気にかけつつも、つい「コロナだからな…」と、尻込みしてなかなか行くことが出来ずにおりました。9月にも一度足を運び、この時はフォロワーさんと並びでHANABI通を打ちましたが、相変わらず店内はガラガラで。その後、気付くと半年の時が流れて年度末になっておりました。 そして。ついに動きます。平岡の記憶が確かならば、そのXデーは2021年4月1日。衝撃の報がTwitterに流れました。 「オオネ休業」 え。嘘でしょ?!最初はみんな「エイプリルフールか?!」という空気感に包まれますが、どうやら冗談ではないことがわかると、途端にざわつき始めました。この頃のことでしたら、お記憶に残っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 待って待って待って。お願い、待って… 頭が真っ白になり、その次に怒涛のように様々な混沌とした感情と何よりも後悔が沸き上がりました。絶滅危惧種を打っていた時も、何度も味わって、そして繰り返し後悔してきたのに。「次に打とう」とか「そのうち」なんて保証はどこにもないのに。誰よりも一番わかっていたはずなのに。わかっていなかった。 ごめんなさい。口だけでごめんなさい。ごめんなさい。 罪悪感につぶれそうになりました。あんなに自分だけは追い続けるって誓ったはずなのに、なんという愚行。裏切り行為。そこからの10日間は悔やんでも悔やみきれない感情が渦巻き、絶望的な想いにさいなまれて過ごしていました。 私が足を運ばなかった半年の間に何があって、店長は休業を決断されたのだろうか。客足はどんなだった? 何が変わったのか??もはや、どこに問いかけても答えなど返ってきません。勿論、私が通ったとしてもオオネ休業が変わらないのはわかっています。ですが、そんなオオネの記録として残すはずだったその半年間の…それこそ、何よりも店長が休業を決断するに至った大事な半年間の記録がすっぽり抜け落ちたのです。 唯一、店長に伺えたことは、パチスロへの想いは変わらないが、自分がやりたいことは6号機の規定だと出来ない。もしも出来るとしたなら、それは7号機以降だ。と。だから先代から継いだ大切な店ではあるが、42年の歴史に幕を下ろすことにしたのだ、と。 そして、運命の2021年4月11日の朝は。穏やかでいられない平岡の内心とは裏腹に、とても穏やかな青空が広がる朝で。9時ジャスト。何度降り立ったかわからない「東海大学前」駅に降り立ちます。 いつもの改札を抜けて、いつもの交番の裏路地を通り。 やっぱりこの日も「オオネの流儀」で、オオネ仲間といつも通りに並びました。久しぶりに人が少し並びます。こんな風に裏路地の通路に人が並ぶ様子を見るのは、いつぶりだろう。もっとずっと、この景色を見て居られると思っていたのに。店内の装飾は前回来た時から大きく変わっていました。見慣れないパネルもある。壁には所狭しと、いつの間にかスロットのキャラクターのイラストが貼り付けられており、まさにそのごっちゃ煮の様は「地元密着型」の手作り感あふれる、あたたかな小規模ホール様の姿でした。 噛みしめるように不在の間に色々と変わった店内を一望すると、私はいつものニューシオサイに向かいます。いつもは一度席に座るとなかなか立ち上がらない平岡ですが、この日ばかりは途中、何度も立ち上がっては常連さんと会話をしたり、店長にちょっかいをかけに行ったり、別れを惜しむべく店内の撮影をしまくるも、どれだけ撮影しても心が満たされることはなく何枚も何枚も店内、店外と撮り続けました。 オオネ名物「夜勤病棟ポスター」も、これでついに見納めなのか。お世辞にも綺麗とは言い難い店外に設置されているお手洗いの中で、夜勤病棟のポスターを前に涙ぐむ平岡。(ホラーか(笑)) 名物の瓶コーラも勿論飲んだのだけど、最後だからって、店長がなんと。缶ビールも振る舞ってくださいました。オオネ仲間と乾杯をしながら、ニューシオサイを打つ平岡。 どんなに負けても、この日は最後まで打ち切ると決めて打ち出したわけですが、最後の最後までニューシオサイは平岡に試練を与えます。なんと。まさかのオオネ閉店日に、レギュラーが6連してBIG間で1985Gはまったのです。 (いや~、実に平岡らしいわぁ)と、それでも笑顔でブンブン回すわけですが。 オーバーフローまでして店長にメダルを抜いて頂きつつ。途中、休憩を取ってオオネ仲間と近くのお店に、閉店後に店長にお渡しするお花を買いに行きました。 東の雄最後の日ですが、店内は結局空き台も多くて。(過去にどんなに名を馳せたとしても、お客様が離れたお店の最後はこんなものなのか…) そして、ついに最終日の…最後の閉店時間を告げられます。 「今日は20時まで」 早めに止めて店長に別れを告げて帰る方たち。平岡にもどんどんその時が近づいてきます。無心にぶん回しておりましたらば。 「今、もう稼動しているのは不二子とニューシオサイだけだよ。どっちが最後にボーナスを引くかな?」と、最後に来られていた佐々木真先生に声をかけられます。 時計を見ると19時52分。そんなことを言われると、負けず嫌いの平岡はますますのぶん回し体制に入ります。閉店まであと8分!! 本来ならば早めに切り上げてお花を取りに行き、店長を余裕持って見送ろうと思っていたのはどこへやら。まあ、台から剝がされるまで打ち切るくらいが結局は平岡らしいよね、と。(店長にお渡しするお花は、友人が取りに行ってくれました(笑)) 19時56分、不二子でBIG引いた報告が飛んでくる。焦る平岡。ウエイトの時間がもどかしい… 19時59分。ここまでか…と諦めかけたその時。昼間にBIG間1985Gハマったニューシオサイが何のいたずらか。光ったのです。 ぬおぉぉぉぉ~!! 多分、ひとり残った一番奥の島で、思わず声が出ていたと思います。あの時は1分1秒がもどかしかったから、非常に鮮明にこの時に記憶が残っているのです。 頼む。BIGで頼む。どうか、オオネのラストをBIGボーナスで飾らせてくれ。万感の思いを込めてボーナスを揃える。右リールを止める手が震えるも、最後の最後に願いが叶いBIGボーナスが揃いました。 安堵と共に、ひとりこぼれる笑顔。これがオオネ最後のボーナスだ。噛みしめながら消化しよう。 そして、最後のボーナスを消化して。店長は店内対応していてお忙しそうで。まだ花が光ってることだしな…「30GのRTを消化していいですか?」って聞いたらオッケーをくださったので(HANABIと同じタイプで、BIGボーナスの後は30GのRTに突入し、ボーナスを引くと、RT中は光っている花が消灯して音楽がピタッと止まる仕様です)、店内がまだ忙しいようですし、この間に最後にハナが光っている状態の30Gを楽しもうって回しておりましたらば、その日、一度もBIGのRTでBIGを引くことが出来なかったのに、ここにきてまさかの。音楽が止まったのです。 これまで散々この台には塩対応されてきたのに、最後の別れを惜しむかの如く。ここから、まさかのRTでBIG4連。平岡はこの台を現在は自宅にも所有しており、ホールでも自宅でも本当に相当数打ち込んでいますが、後にも先にもBIGが4連したのはこの時だけです。 すでに閉店時間を過ぎているのに、ホッパーエラーをしました。「さすがにここで終了か?」と焦る平岡。でも、店長は笑顔で補給をしてくださいます。必死に回す。またRTで音楽が止まる。 すでに打つのを終わらせており、店内に最後まで残っていたお客様で、いつのまにか平岡の背後にはギャラリーが出来ておりました。楽しい。なんだこの展開。ほんと最後までドラマが溢れていた。でも、もはや噛みしめる余裕もなく、必死にレバーを叩き消化したのでありました。RTが終了した瞬間に背後から拍手が起こり、そこで初めてギャラリーが出来ていたことに気づいたのです。20時閉店だったにも関わらず、時計の針は20時15分を過ぎておりました。 結果、流したメダルは1,646枚。総投資は1,692枚。なんと、BIG間はまり1985Gからマイナス46枚まで捲ったのです。最後に頂いた記憶としては、もはやプライスレス。どんな破天荒なラストだよ!!と。オオネの最後の日に、閉店1分前に起きた奇跡。まだ終わりたくないというお店からのメッセージのような…こんな刺激的なラストがあるだろうか。 こうして、平岡は迷惑な展開でいつも通りに、最後の最後まで打ち切って最後のお客になったのでありました。最後にシャッターを卸す店長に、最後まで残ったお客様で別れを告げました。店長は最後まで笑っていて。それが余計に胸を締め付けたのです。 放心気味に見上げた「パチスロ」のネオンがキラキラと輝いていて。平岡がとっても大切にしていたものに、終わりを告げた輝きでもあったのでした。 そこからしばらくは喪失感と罪悪感で立ち直れないでいた平岡。ふとした瞬間に「オオネに行きたいなぁ」という思いと「なぜ私はちゃんと通わなかったんだろう」と後悔が沸き上がる日々。 ですが、そこでまさかの奇跡が起きるのです。再び衝撃の報が流れました。 「オオネ復活」 キターーーーーーーー!!! 「オオネは潰れないよ。だってオオネだからね!!」散々言い続けたあのセリフを、再び口にする日が来るとは誰が想像したでしょうか。 今度こそ。今度こそ今度こそ絶対に見届けるから!!!ありがとうオオネ。私にチャンスを与えてくれて。ありがとう。 そして、ここから本当に終わりを告げる2022年6月30日のその日まで。第3ステージ。オオネと共に歩く、最後の日々が始まったのです。その④へ続く→※店長と1号さん。たくさんの思い出を、有難うございました。 寄稿者 平岡みゆき 氏 漫画雑誌「パニック7ゴールド」で漫画原案・コラム「丸の内OLのキラキラカチ盛り日記」連載中。 美容とパッスロと街の小さな老舗ホール様を愛する丸の内OL・会社員スロッター 漫画家あぎじゅんこ先生に原作提供&取材協力 代表作「パチスロ徒然日記」(竹書房/スーパーパチスロ777(現在休刊)) 「読切り設定1000」他 Blog:平岡幸(ひらおかみゆき)の東京OL~パチスロ日記 Twitter:https://twitter.com/miyupon_777 関連 平岡みゆき 氏