2023年3月29日 「1パチは初心者向け」という錯覚 皆さま、こんにちは ゴンザレスです。今回は初心者に教えていた時に思った疑問について書かせていただきます。 コンテンツ Toggle 「1パチが遊びやすい」は誰の視点かパチンコのイメージ公営ギャンブルとのギャップおわりに 寄稿者 「1パチが遊びやすい」は誰の視点か 初心者向けのパチンコ講習でよく語られるのが「4パチが怖いなら遊びやすい1パチがある」といった表現です。たしかに玉数が4倍になるなら遊びやすくはなります。 しかし、この「1パチは遊びやすい」という表現は、本当に初心者に通用するのでしょうか? 何故かと申しますと、1パチは4パチに比べれば遊びやすいという表現は「4パチと比べて“相対的に”1パチは遊びやすい」ということを意味しているからです。 つまりは「1円が遊べる」という発想は、4パチ経験者から視点に他なりません。相対評価には相手が必要ですが、それは4パチ遊技の“経験”以外にはありえないからです。 そうなると「基準となる4パチ遊技の経験が無いノンユーザーには遊びやすいイメージすら湧かないのではないのか?」と思う次第です。 パチンコのイメージ ノンユーザーと世間的なパチンコのイメージは、おそらく「金がかかる賭博」と「なんか怪しい」です。「換金が前提の遊技」は合法であっても謎の存在です。 サラリーマン平均小遣いが3万円の時代に、簡単に万単位が飛んでいく姿がネットの体験漫画やYouTube動画に大量に転がっています。 そして借金芸人や破天荒芸人の趣味の代表格がパチンコであり、「借金してパチンコ」「使ってはいけない金でパチンコ」などは彼らの鉄板エピソードです。 さらに怪しいのが「釘調節が(本当は駄目だけど)できる」という遊技上の特徴、そして「三店方式と交換率の存在」といったパチンコ特有の「各種料金が不明瞭」な点です。 1玉4円で1000円250玉、1玉1円で1000円1000玉。これは貸玉料金であっても遊技料金とは言えません。 これにより、1パチでは「4倍の玉があっても4倍回せるとは限らないが、当たりの価値は確実に1/4になる」といった「業界の特殊な常識」ができるわけです。 この業界の特殊な常識を、初心者が勝手に受け入れてくれて、必ず共有してくれる・・・と思っているなら甘いでしょう。消費者をナメんない。 公営ギャンブルとのギャップ その点、同じように賭博要素のイメージの強い公営ギャンブルはシンプルです。金額という分かりやすい基準で遊べるからです。 これを利用して「100円から遊べること」「買い方によっては当たりやすいこと」を強調した広告を積極的におこない、沼の入り口に呼び込んでいます。 「最初にテラ銭を取った上でオッズを付ける」という方式だから出来ることですが、使える強みを積極的にアピールしているのは素直に感心します。 その公営と張り合うのに、仕方ないとはいえパチンコ業界は「公営は青天井だけど、パチンコは規制があるからどう頑張っても一日●●万円!」という、思わず「どっちにしろ高すぎて初心者が引くわ!」と言いたくなる表現でアピールしています。 底なし沼と頭まで浸かる沼は、見ている方には同じことです。 このように公営ギャンブルは積極的に最低遊技金額をアピールしている一方、パチンコは最低でも平均でもなく上限金額でアピールせざるを得ないわけです。 これは色んな意味でキツい。 おわりに 軽くまとめると、次のようになりそうです。 ①世間的なイメージとして「パチンコ遊技は安くない」というイメージがある ②釘調節やら交換率などの関係で「遊技金額や(現金による)払い戻し」が分かりにくく怪しい ③ダメ押しで、業界でも「安くはない」というアピールを無自覚に行って、世間のイメージを補強している ②については、経験者としての目線が入っている懸念があります。ノンユーザーの方はむしろ「遊技だけど換金できる仕組み」である三店方式を(合法だとしても)強く疑問に思っているようです。 ですが、①③の「パチンコ(4パチ)は安い遊びではない」という印象については、間違ってはいないかと思います。 そのような状況で「4円よりも安い1円パチンコは遊びやすい」とアピールしたところで、はたしてノンユーザーに響くのか? 「1パチは遊びやすい」と打つ前から思ってくれるのか? 「高い遊びの安いレート」なんてのは、例えるなら「高級レストランの安めのコース(時価)」のようで、ちょっと注文や入店するのに怖いものがあります(笑) 一見さんお断りの雰囲気がプンプンします。 そんな不安を抱きつつ、また次回。 寄稿者 ゴンザレス 氏 とあるアラサーパチンコユーザー(非業界人) 関連 ゴンザレス 氏