2023年1月8日 「談話室滝沢」からの逃走 ぜぇぜぇはぁはぁと呼吸を乱しながら、他に最短距離上の選択肢がないため仕方なく足を交互に上げ続けているときは随分と傾斜が厳しいように感じますが、いざ登り切り振り返ってみるとそう大したこともないようにすら見える坂道や階段が自宅の近くに何か所かあります。 このような階段のひとつを上がっていま、行きつけにしている小さな喫茶店に到着しこの文章を書いているのですが、左隣のテーブルで歓談している同年代らしい夫婦が「1月10日になれば、もうさすがにお正月気分などとは言っていられないよね」といったことを話しています。 女性の方は横顔のシルエットがとても綺麗で、女優の中谷美紀に少し似ています。男性は大柄で、しっかりと暖房が効いた店内ではありませんがTシャツ姿でサラダをつついています。これからランチのセットメニューのパスタかドリアかピラフでも運ばれてくるのでしょう。 私は740円の瓶ビールを注文してノートPCを開いています。時間や空間、それらを包括する概念としての”雰囲気を買う”という金銭感覚を身に着けたのは、いったいいつの頃からだったか? 18歳の頃、当時交際していた同い年の女性と新宿の喫茶店「談話室 滝沢」に入店して奥まった席に案内されメニューを見たら、コーヒー1杯が1,000円以上しました。 これはとんでもない店に入ってしまった、どうしよう、走って逃げるか、ということになって文字通り猛ダッシュで退店したのですが、こういう若者がまずやって来ない、ワイワイ騒ぎ立てない場所だと知っているからこそこの店を選んで来ている大人たちが店内には居て、我々の逃走劇を微笑ましい目で眺めていたのでしょう。 私自身、この連休が明けたら通常モードに復帰します。データや資料類に目を通す機会が一気に増えて、面会がどんどん入り、有難いことに社外活動の話も具体化していきます。 3~4月の本格的なオープンを想定して構築中でいわばまだ準備中のこのブログに読者の方がどれだけいるのかはわかりませんが、冬の寒さに身を縮めながらそれでも春を見据えるこの時期、どうぞご自愛下さればと願います。 関連 DIARY